ゆいせきやと一閑張り

一閑張りの由来

 一閑張りの由来

17世紀前半に、中国から日本に亡命してきた明僧の一閑和尚(後の飛来一閑)は京都大覚寺に居して千宗旦(千利休の孫、三千家の祖)に入門した際に、趣味で作っていた紙漆細工(木地に麻布や和紙を張り、更に漆で表面を塗り固める)が宗旦に認められ「一閑張り」と呼ばれるようになりました。

 その当時の庶民の道具は竹や木で作られたものが多く特にカゴは軽くて便利なものでしたが、腐ったりして痛みも早いものでした。一閑和尚は痛んだカゴでも大切に使っている農民たちをみて何か良い修理の方法は無いものかと考え、痛んだカゴに使用済みの和紙を糊で何枚も重ね張りし、高価な漆は使わずに、身近にある「柿の実から作った渋液」をその上に塗り重ねて丈夫にするという修理の方法を考案したのが始まりと言われています。

 名前の由来にはいろいろありますが、人名からきた「一閑張り」、一貫目くらいの物をいれても丈夫ということからの「一貫張り」、冬の農閑期(閑な時)に製作したことからの「一閑張り」と書く地方もあるようです。

 

一閑張りの由来